『社会言語学』9号
ついに、『社会言語学』9号が できました。
テーマ別に紹介します。
障害学
- 打浪(古賀)文子(うちなみ(こが)・あやこ)「障害者と情報アクセシビリティに関する諸課題の整理−情報保障の概念を中心に」
- 田中邦夫(たなか・くにお)講演録「情報はどう保障されているか−中途失聴者から見た現状」
日本語教育
- すみ ともゆき 「教科日本語における漢字のカベ−その予備的考察」
性差別
- 富田哲(とみた・あきら) 書評「中村桃子(なかむら・ももこ)『「女ことば」はつくられる』(ひつじ書房、2007)」
- 木村護郎クリストフ(きむら・ごろう くりすとふ)書評「中村桃子『<性>と日本語 ことばがつくる女と男』(NHKブックス、2007)」
識字研究/漢字論
- かどや ひでのり「識字運動の構造」
- 山下仁(やました・ひとし)「日本の読み書き能力の神話−その隠蔽機能の解明と問題解決のための研究について」
- なかの まき 映像評「長野県梓川(あずさがわ)高校放送部「漢字テストのふしぎ」(2007年)」
言語権
- 柿原武史(かきはら・たけし) 「CEFRは地域語・少数言語にいかなる影響を与えうるか−受容のされ方から問題点を探る」
- 札埜和男(ふだの・かずお) 「法廷における方言的ことば」
社会言語学の雑誌には『ことばと社会』『言語政策』『社会言語科学』などがありますが、障害学の論考を これだけ のせているのは『社会言語学』だけです。
うえのキーワード別一覧を みていただければ、『社会言語学』の特色が わかるでしょう。もちろん、ほかの雑誌と比較してみなければ、なにが「特色」といえるのか わかるものではありませんが。
なお、『社会言語学』掲載の論文を あつめた本に、ましこ・ひでのり編 2006 『ことば/権力/差別—言語権からみた情報弱者の解放』三元社があります(『社会言語学』掲載ではない論文もあります)。
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