hituziのブログじゃがー

あべ・やすし。最近は ツイッターばー かきょーる。

アクアポニックスについて(魚で野菜をつくる)。

2020年の12月に野菜の再生栽培をはじめた。再生栽培とは、スーパーで かってきた小松菜やミツバ、ネギなどを水や土で再生させて もう一度(あるいは、しばらく)たべたりすることをいいます。豆苗が有名ですね。

根っこが あたらしく はえてくる野菜が いいです。ホウレンソウやパクチーなどはダメです。再生できません。アブラナ科の野菜は うまいこと いきます。


さて、2020年12月というと ちょうど3年まえです。再生栽培についてユーチューブの動画やウェブの記事をみていました。そのなかで、アクアポニックスという農法について しりました。アクアポニックスの方法は いろいろですが、たとえば魚を飼育して、その水をポンプで くみあげて、ハイドロボールをしきつめたプランターに水をながして野菜を栽培することをいいます。ハイドロボールに微生物が すみつき、水だけでなく、栄養分をたくわえます。ポンプで くみあげられた水は魚の水槽に もどるように設置します。ポンプのフィルターで 水が きれいになるだけでなく、微生物による分解や野菜による吸収によって魚にとって心地よい環境が維持されるという しくみです。


おもしろいので、2022年に岡山の実家でアクアポニックスをはじめました。ちょうど、つかっていない火鉢があったので、それを金魚の水槽にしました。横に ひとつだけ穴の あいた ながぼそいプランターもあったので、そこに市販のハイドロボールと溶岩をしきつめました。金魚のためにソーラーパネルのエアポンプをかいました。日中は くもりぞらでも ぶくぶくと空気がでます。おなじくソーラーパネルの水のポンプをかいました。日光がパネルにあたれば水がでます。エアポンプのパネルより おおきいサイズですが、水をくみあげるには 電気が たくさん必要なのでしょう。


ホームセンターで金魚とドジョウをかってきて、野菜は空芯菜やバジルをつくったりしていましたが、現在はイチゴとネギを栽培しています。イチゴは四季なりのタイプです。プロがつくるようなイチゴのかたちにはなりませんが、つぎつぎと収穫できます。スズメバチに たべられたりもしていましたが…。

いくつか写真をご紹介。

ながぼそいプランターに うえつけたばかりのイチゴの苗ふたつ。包丁で きったネギをハイドロボールに さしている。
プランターのちかくに ちいさめのソーラーパネルが ふたつ。水平に剪定された庭木のうえに おいてある。
イチゴの花が3つ。
イチゴの苗、パクチー、ネギ、菜の花。
イチゴの苗が よく そだっている。
真っ赤に熟したイチゴの実。まだ白っぽい実も みっつある。


イチゴの苗が とても元気に おいしげっている様子をみると、アクアポニックスが成功しているように感じます。


野菜の栽培に水が24時間 必要なわけではないので、天気の いい日に 水が くみあげられるだけでも じゅうぶん そだちます。ハイドロボールが ある程度 乾燥したほうが根っこも呼吸しやすくなります。24時間 電力が必要な栽培方法といえば水耕栽培がありますね。栄養のある水に根っこをひたした状態にするわけですが、エアポンプや水の循環を24時間しておけば、根っこは呼吸できるので根ぐされしません。電気をたくさん つかうなら、それでも いいのです。また、ソーラーパネルで単三の蓄電池に充電して24時間 水のポンプをうごかす方法もあります。しかし、まあ やってみれば わかりますが、そんなに水分は いらないのですよ。わたしが設置したアクアポニックスは水が天気のいい朝から昼までしか循環しません。しかし、だいじょうぶなのです。そういうわけで、メンテナンスとしてはポンプのフィルターとして まきつけている使用ずみ不織布マスクをたまに交換すること、ポンプのモーターが こわれたら交換すること、だけです。日々の仕事は、魚にエサをあげる、蒸散などで金魚の水は どんどん すくなくなっていくので水を補給することです。



さて、アクアポニックスの なにが重要なのか。いろいろありますが、第一に筋肉が いらないことです。父は65歳のころから家庭菜園をしていますが、ずっと「野菜の土」や苦土石灰あぶらかす腐葉土や堆肥、もみがらなどをかいつづけています。最近は赤玉土をまぜたほうが いいと わたしにアドバイスされて、赤玉土鹿沼土も かっています。相当な量です。5キロとか10キロとか20キロの袋に はいっています。80歳になった父には おもたすぎるのです。さらに、畑に雑草が はえたら どうか。父には雑草を根っこから ひきぬく筋肉はありません。 草かり機をつかうこともできません。


土をつかった栽培は、つかれるのです。筋肉が必要なのです。アクアポニックスなら筋肉は必要ないです。たとえ雑草が はえたとしても、とても かるいハイドロボールから根こそぎ ひっこぬくことができます。たとえばパクチーを根こそぎ収穫するのも簡単です。ハイドロボールは何年でも つかえます。魚がだす栄養分があるので化学肥料も有機肥料も必要ないです。土での栽培だと、水やりだって重労働です。あつい時期は毎日のように水やりします。ヤブ蚊に おそわれながらです。


第二のポイントは、アクアポニックスは循環農法だということです。アクアポニックスは水を循環させるので水の使用量が すくないです。世界的に みれば水は貴重な財産です。大事に つかったほうが いいものです。水が節約できるのは いいことです。土づくりのために大量に排出される二酸化炭素の問題も解消できます(堆肥や肥料を袋に つめる、はこぶ必要がない)。


第三のポイントは、アクアポニックスは魚の養殖と野菜の栽培を同時に おこなうことができるということです。たべられる魚をそだてることもできるわけです。魚の養殖は水を大量に使用するので、アクアポニックスのように水を節約できるシステムをとりいれたほうがエコではあります。ちなみに、海水魚でアクアポニックスをするなら、トマトとシーアスパラガスを栽培すれば いいのではないでしょうか。しかし、養殖だと魚のエサをどうするかという問題があります。魚のエサの材料として小麦粉や大豆とかを輸入していますね。野菜の くずをウニに たべさせるような、むだの すくない養殖のほうが いいですね。魚のエサのことをかんがえると、魚をたべないアクアポニックスのほうがエコな気がします。


アクアポニックスの課題としては、農薬は つかえない(魚が死んでしまう)ので、害虫の管理をどうするかという点です。密閉空間で するのか。それだと太陽光はどうするか、植物用ライトを使用すれば電気代が必要になります。じゃあハウス栽培によるアクアポニックスにしようか、などと いろいろ対策をとることになります。しかし、家庭菜園としてアクアポニックスをするなら、まあ いいじゃないかの精神で あんまり気にしないのが いちばんです。わたしのアクアポニックスでいうと、たとえばスズメバチがイチゴをたべてました。


そもそも害虫にやられない野菜をえらぶのも ひとつの方法です。シュンギクパクチーは害虫に やられませんねえ。アブラナ科の野菜と ちがって。しかし、そんな野菜は それこそ土で そだてたら いいじゃないか。そんなことも かんがえてみたり。



来年はアクアポニックスのセットをもうふたつ つくろうと準備しています。錦鯉のアクアポニックスとメダカのアクアポニックスの予定です。さて、どうなりますか。メロンやマクワウリが できたら いいなあ。