hituziのブログじゃがー

あべ・やすし。最近は ツイッターばー かきょーる。

ことば

「言語学習のユニバーサルデザイン」

4年まえに、言語学習のユニバーサルデザインを! - hituziのブログじゃがーという記事を かきました。これを みてくださったのだと おもいますが、『日本語学』という雑誌の編集部から原稿依頼を いただきました。「福祉の言語学」特集むけに、「言語学習の…

紹介『マイノリティの社会参加―障害者と多様なリテラシー』

佐々木倫子(ささき・みちこ)編『マイノリティの社会参加―障害者と多様なリテラシー』くろしお出版 という本が でました。わたしも かいています。 「情報のユニバーサルデザイン」 編者の佐々木倫子さんは、この本が どのような視点から つくられたものな…

「社会参加」と「社会的排除」。

社会参加は、社会的排除の反対語。そういう とらえかたで、ほんとうに いいんだろうか。 マイノリティの社会参加を すすめるというのと、社会的排除を やめる、あらためる、あるいは 社会的排除を 批判するというのとでは、やっぱり意味あいが ちがってくる…

「障がい」表記について。

去年、たくさんの ひとたちと共同論文を かいた。まだ査読まちなので、論文として掲載されるかどうか きまっていない。なので、共同で原稿を かいたというのが正確。そのとき、障害の表記を「障がい」にしたいという意見が複数でた。それについて反対意見も…

「言語障害は、外国語と おなじだ」。

ある ひとが、「言語障害は、外国語と おなじだ」と いっていた。だから、「どんどん しゃべらないといけない」と。 そのひとは、脳性まひで、言語障害がある。 言語治療というのがある。くわしく しらない。たいへんそうだ。けど、いいことも あるんだろう…

言語能力と刑罰―言語という障害。

2009年に「言語という障害―知的障害者を排除するもの」という論文を かいた。もくじは つぎのとおり。 はじめに 1. 言語権という理念 1.1. ひとつの言語とはなにか 1.2. 言語権のひろがり 2. 知的障害と「言語」 3. 言語学の倫理―ジーニーを実験台にさせたも…

国民という差別。

言語政策学会のシンポジウムで李洙任(り・すーいむ)さんの報告を きいた。李さんには『グローバル時代の日本社会と国籍』という田中宏(たなか・ひろし)との共著がある。 李さんの報告の題は「移民コミュニティの移民言語教育―オールドカマーを中心に」で…

災害時の外国人被災者のための「やさしい日本語」

あべ やすし 2010 「識字のユニバーサルデザイン」かどや ひでのり/あべ やすし編『識字の社会言語学』生活書院、384-342 うえの論文で「災害時の外国人被災者のための「やさしい日本語」」を 紹介しましたので、その部分を はりつけます。後半では、ろう者…

本が でました: かどや/あべ編『識字の社会言語学』生活書院

かどや ひでのりと共編著を だしました。 「識字」と「非識字」を どのように認識するかという問題、日本の識字率に まつわる幻想について、文字を かくということ/よむということの身体性と社会性について、識字運動を 障害者運動や障害学の視点から とら…

狩猟民族じゃねえ、狩猟採集民じゃい。

本田重道(ほんだ・しげみち)『なぜ、私の歳をきくの? 年齢不問社会の提言』飛鳥新社 うえの本を よんでいたら、くだらないことが かいてあったので批判します。 本田は、「年齢」という かんがえかたの起源について想像を めぐらせ、つぎのように かいて…

言語学習のユニバーサルデザインを!

わたしは いま、京都で月2回 朝鮮語を おしえています。「言語学習のユニバーサルデザイン」というテーマに直面しています。以前から そうですが、テキストの字が老眼で みえない、みえづらいということが ある。言語学習は、目が よく みえるひとだけが す…

紹介:かどや ひでのり「じゃんけんのユニバーサルデザイン―構造的差別に視点をおいた人権教育実践」

じゃんけんのユニバーサルデザイン - hituziのブログじゃがー 「じゃんけんのユニバーサルデザイン」実写版。 - hituziのブログじゃがー わたしが このブログに かいた おもしろ文章のアイデア(うえにリンクした「じゃんけんのユニバーサルデザイン」)が人…

紹介『私の声が聞こえますか―認知症のある人とのコミュニケーションの可能性を探る』。

マルコム・ゴールドスミス『私の声が聞こえますか―認知症のある人とのコミュニケーションの可能性を探る』という本を ゆっくり よんでいる。いい本だ。 去年 かいた論文が「言語という障害―知的障害者を排除するもの」『社会言語学』9号というものだった。問…

漢字は、まちがえるのが あたりまえ。

漢字の よみまちがいで ひとを ばかにする反動保守を ゆるさない。 - hituziのブログじゃがーの つづきです。 うえの文章と あわせて よんでください。 ともだちに『カナ ノ ヒカリ』2009ネン、ナツ ゴウ(944ゴウ)を もらった。 『カナ ノ ヒカリ』とはザ…

『社会言語学』9号

ついに、『社会言語学』9号が できました。 テーマ別に紹介します。 障害学 打浪(古賀)文子(うちなみ(こが)・あやこ)「障害者と情報アクセシビリティに関する諸課題の整理−情報保障の概念を中心に」 あべ・やすし 「言語という障害−知的障害者を排除す…

日本語表記と共存について(結論だけでなく、プロセスも たいせつ)。

かながきの ぶんしょうは なぜ 「よみにくい」と いわれるのか? - やねごんの にっき やねごんさんの問題提起を うけて。わたしなりに。 『月刊ノーマライゼーション』という雑誌がある。いちど、翻訳を のせたことがある。ウェブに公開されている。 文学に…

「セクシュアルマイノリティ傾向」ですって?

1ヶ月まえのことですが、障害学会第6回大会(障害学会・2009)に いきました。いろいろと かんがえることはあったのですが、ひとつ「ええー」と感じたことについて。 杉崎 敬「知的障害当事者の<生き様>から見える多様なセクシュアリティの形――知的障害と…

漢字の よみまちがいで ひとを ばかにする反動保守を ゆるさない。

何度か かいてきたので、ながい文章にはしない。 それが だれであろうと、漢字を よみまちがえたなどといって ばかにするのは、最悪だということ。日本語社会を、さらに いごこちの わるいものにする行為だということ。 麻生(あそう)は 漢字が よめないな…

朝鮮文字(チョソングル)。

松永正義(まつなが・まさよし)『台湾を考えるむずかしさ』研文出版 うえの本を 本屋で ぱらよみしました。そのうち きちんと よみたいと おもいます。なにごとであれ、他者と むきあうということ、ある地域を 研究するということは政治的な いとなみです。…

「国際シンポジウム 「地域における障害者のインクルーシブな情報支援」2月6日、7日京都」

国際シンポジウム 「地域における障害者のインクルーシブな情報支援」2月6日7日京都 | 支援技術開発機構 デイジー(DAISY: Digital Accessible Information System)は、読みに障害がある人々も読んで理解できる電子出版物の国際標準規格として欧米を中心…

ふたつの「ろう者」。

ことばの平等を めざして。 - hituziのブログじゃがーの つづきです。 じつを いいますと、わたしの修士論文は「ろう者の言語的権利をめぐる社会言語学的研究」というものでした。朝鮮語が よめるかたは PDFファイルで 公開していますので、ごらんください。…

「みみできいてわかる文章のために」

ことばに おしゃれは いらない。 - hituziのブログじゃがー はてなブックマーク - ことばに おしゃれは いらない。 うえの記事に、ブックマークコメントで 文章が わかりやすい/わかりにくい以前に「よみにくい」というご意見を いただきました。そんな み…

ことばに おしゃれは いらない。

むずかしいことを、いかに わかりやすく論じるか。わかりにくいところを ごまかさないままに、きちんと つたえることができるか。これは、表現するものとして、おおきな課題であると おもっています。 むだに ことばを かざらず、必要で適切な ことばを えら…

「多文化共生」を といなおす。

この記事は、安田敏朗(やすだ・としあき)さんが ていねいに議論されてきた問題を、わたしなりの ことばで論じるものです(以下、敬称略)。ひととおり かきおえたところで、安田の論考を よみなおしてみたいと おもいます。そして、最後に 安田の文章を 引…

まなびの場所で。

わたしは2005年の6月から(ほそぼそと)カルチャーセンターで朝鮮語を おしえています。カルチャーセンターで おしえるチャンスが あれば いーなーと おもっていたところだったので、そのチャンスを いただいたときは ものすごく うれしかったのを おぼえて…

「よみにくい」というまえに。

よみやすさって、なんだろう - hituziのブログじゃがー うえの記事は、はじめて よむ ひとにとっては、なかなか スリリングな 文章だと 自負しています。もう一度よんでみても、やっぱり スリリングだと おもいます。はだかの王様を あばいているからです。 …

障害認識を 革命すれば「障害者」の表記など 問題ではない。

「障害認識の パラダイムを 転換すれば「障害者」の表記など 問題ではない」と表現しても いいです。 差別のマッチポンプ - E.L.H. Electric Lover Hinagiku うえの記事に 宿題を いただいていたのですが、ずっと反応できずに いました。うえの記事でid:y_ar…

『社会言語学』8号

わたしが 参加している「社会言語学」刊行会から『社会言語学』8号が でました。3000円です。abe.yasusi@gmail.comまで どしどし ご注文ください。よろしく おねがいします。1号を のぞいて、バックナンバー(既刊号)も ございます。あわせて ご注文くださ…

ひらがな あなーきずむに よーこそ。

大学生のころ、テレビを よく みていた。よるは、いつも「ニュース23(ツースリー)」を みていた。筑紫哲也(ちくし・てつや)さんが なくなった。ちくしさんは、23や『週刊金曜日』で漢字について保守的な態度を とっていて、しばしば わたしは いやーな気…

漢字という不安。

だれもが 漢字という不安を 感じている。まちがったりしないか。わすれてしまうのではないか。その不安を、だれかを わらうことで解消することはできない。 たとえ だれかを わらっても、うちけせない不安に 苦笑しつづけることに なるのだ。「漢字」という …