社会
「日本人」にしても、なんにしても 人間を 集団で くくるとき、そのカテゴリーというのは ひじょうに あいまいなものである。明確に 線を ひけるものではない。けれども、なにか必要や目的があって、人間を 集団で くくることがある。たとえば、多数派と少数…
だれもが 自分を 基準にして ものごとを かんがえる。だれかのことを 自分の基準で 評価する。 なにか社会問題について議論するとき、「あの人は体制に迎合的だ」「同化している」というふうに発言することがある。自分は そうではない、ほかの ひとたちは …
4年まえに、言語学習のユニバーサルデザインを! - hituziのブログじゃがーという記事を かきました。これを みてくださったのだと おもいますが、『日本語学』という雑誌の編集部から原稿依頼を いただきました。「福祉の言語学」特集むけに、「言語学習の…
佐々木倫子(ささき・みちこ)編『マイノリティの社会参加―障害者と多様なリテラシー』くろしお出版 という本が でました。わたしも かいています。 「情報のユニバーサルデザイン」 編者の佐々木倫子さんは、この本が どのような視点から つくられたものな…
社会参加は、社会的排除の反対語。そういう とらえかたで、ほんとうに いいんだろうか。 マイノリティの社会参加を すすめるというのと、社会的排除を やめる、あらためる、あるいは 社会的排除を 批判するというのとでは、やっぱり意味あいが ちがってくる…
わたしは、学校教育じゃなくて、学習支援で いいじゃんと主張することがある。いつでも、どこにいても、何才でも、だれもが学習できる。それが大事なんだと。 こどもを 学校に いかせるというのは、親にとっては託児所に こどもを あずけるという意味もある…
やねごんさんが「いわゆる「高校無償化」からの朝鮮学校排除に反対するパブリックコメント」という記事を かいています。ていねいですね。わたしもパブリックコメントを かきました。 朝鮮学校を高校無償化政策から排除することに反対します。以下、その理由…
去年、たくさんの ひとたちと共同論文を かいた。まだ査読まちなので、論文として掲載されるかどうか きまっていない。なので、共同で原稿を かいたというのが正確。そのとき、障害の表記を「障がい」にしたいという意見が複数でた。それについて反対意見も…
反原発運動の なかでの「優生思想」の問題が、以前から指摘されてきました。たとえば、2011年2月には つぎのような記事が問題になりました。 上関原発、強行工事!! - ゆいわのきほくのわ この記事には、たとえば つぎのような文章があります。 日本の原発は…
集会の おしらせです。 趣旨:「障害者総合福祉法」が2012年の通常国会に上程されることになっています。私たちは、8月30日に「総合福祉部会」から出され国に手交された「障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言〜新法の制定を目指して〜」が、二…
2009年に「言語という障害―知的障害者を排除するもの」という論文を かいた。もくじは つぎのとおり。 はじめに 1. 言語権という理念 1.1. ひとつの言語とはなにか 1.2. 言語権のひろがり 2. 知的障害と「言語」 3. 言語学の倫理―ジーニーを実験台にさせたも…
3月の原発事故のあと、「原発がとまれば弱者が死ぬ」という主張があり、それは「ためにする議論」だと批判する議論がありました。じっさいには「弱者」のことなんか かんがえていないのに、原発を維持するためだけに もちだした論理だと。 わたしは、とつぜ…
言語政策学会のシンポジウムで李洙任(り・すーいむ)さんの報告を きいた。李さんには『グローバル時代の日本社会と国籍』という田中宏(たなか・ひろし)との共著がある。 李さんの報告の題は「移民コミュニティの移民言語教育―オールドカマーを中心に」で…
『家政婦のミタ』というドラマ。おもしろい。すきだ。 おもしろい点は いくつかある。ひとつは、責任を 実感するプロセス。 このドラマにでてくる家族は、最初「家政婦」に やたらと あまえる。「家政婦なんだから、ちょっと」と、勝手な「家政婦」イメージ…
N700系の新幹線の11号車に、車いす対応トイレがある。まるい部屋に なっていて、ひろさを 確保している。ただ、ベンチレーターのひとは それでも せまくて 使用できないかもしれない。とはいえ、このトイレができたことで新幹線が利用しやすくなった ひとは …
あまり小説は よまない。だから、たまに小説を よんだら、ブログに かきたくなる。 夏石鈴子(なついし・すずこ)『いらっしゃいませ』角川文庫。 これは武井麻子(たけい・あさこ)『ひと相手の仕事はなぜ疲れるのか―感情労働の時代』で紹介されていた小説…
わたしの問題意識は、なにを どうするにしても、線ひきは おこなわれるし、そこで排除は おこっている(排除している)、その現実を わすれてはいけないというのが まず前提としてあります。そして、それを ふまえて 自分は どうありたいのかということです…
7月9日の土曜日に教育の境界研究会というところで、ともだちの すぎむらなおみさんの はなしをきいた。はなしに参加したというのが ただしい。参加型のワークショップのようなかんじだった。 題は「「特別」扱いと「ふつう」扱い」というもの。興味のあるひ…
公平とは なにか。 - hituziのブログじゃがーの つづき。 ずっとまえにブログで紹介したことがあるが、金 伊佐子(キム・イサジャ)さんの「在日女性と解放運動―その創世記に」『前夜』4号(2005年 夏号)という文章が わすれられない。一部だけ紹介する。 …
「こういう ひとたちが いて、一方で こういう ひとたちも いる。どちらも尊重しよう!」というとき、その関係が どうなっているのかを ちゃんと確認するようにしたい。片方が圧倒的に多数派で、権力的であるなら、「どちらも尊重しよう!」なんてのは そも…
武田徹(たけだ・とおる)『「核」論―鉄腕アトムと原発事故のあいだ』中公文庫(追記:この本は『私たちはこうして「原発大国」を選んだ―増補版「核」論』中公新書ラクレとして復刊されました。) いっきに よんだ。参考になった。印象的だった部分は たくさ…
3月11日の 東日本大震災を うけて、さまざまな出版社が災害に関する本や雑誌の文章を 全文公開しています。このページでは、データベースや全文公開した出版社などを ご紹介します。 データーベース 国立情報学研究所のデータベースが 計画停電のため サービ…
いつも、いろんなグループのメーリングリストから情報を もらっているんですけど、あんまり活発じゃないメーリングリストが けっこうある。いきおいづいているグループは、活発に情報交換、意見交換してるんだけど。 なんか、「なんだなんだ? どうなるんだ …
あべ やすし 2010 「識字のユニバーサルデザイン」かどや ひでのり/あべ やすし編『識字の社会言語学』生活書院、384-342 うえの論文で「災害時の外国人被災者のための「やさしい日本語」」を 紹介しましたので、その部分を はりつけます。後半では、ろう者…
日本の入国管理体制のなかで、収容されたり、強制送還されたり、労働や健康に関する権利を うばわれている ひとたちが いる。密入国した ひと、偽造パスポートで入国した ひと、資格外 労働をしてきた ひと、オーバーステイをした ひとたちだ。そのなかには…
京都市にひと・まち交流館 京都という公共施設があります。その会議室で ドキュメンタリー映画の上映会を よく やっています。地下1階には図書室があります。いってみると、老人介護の本がたくさんあります。なぜ?と おもってみたら、4階が「長寿すこやかセ…
本岡類(もとおか・るい)『介護現場は、なぜ辛いのか―特養老人ホームの終わらない日常』新潮社。 いっきに よんだ。著者が じっさいに経験したこと、みききしたことを もとに再構成した小説。とくに 意外な はなしは なく、老人ホームなどについて しってい…
2010年 3月に でた本に『外国人をめぐる生活と医療』というブックレットがある。ほかにも いくつか本がある。手もとにある本と検索して みつけた本を まとめてみる。あたらしいものから ならべる。 難民支援協会編 2010 『外国人をめぐる生活と医療―難民たち…
本屋で 本を さがすのが しゅみです。こんな本が でてる、こんな本があったのか。そういうかんじ。 そういうことを やっていると、かわないけど、よまないけど、いい本だなあ、おもしろそうだなあという本を みつけます。たとえば。 レベッカ・ソルニット『…
かどや ひでのりと共編著を だしました。 「識字」と「非識字」を どのように認識するかという問題、日本の識字率に まつわる幻想について、文字を かくということ/よむということの身体性と社会性について、識字運動を 障害者運動や障害学の視点から とら…