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あべ・やすし。最近は ツイッターばー かきょーる。

「心配しすぎる」論法

 よくベジタリアンは 非難される。それは、社会の「ふつう」の わくから とびだしていること、なにより「ただしい」ことを 実践しているという「自負心」にたいする反感として あらわれます。なるほど、「はなもちならない」ほどに「えらぶっている」なら、少々は批判を うけても しかたないでしょう。けれども、そういった「問題点」を いくら指摘しても、肉食の問題は きえることはありません。ベジタリアンの人格の問題ではないからです。


 ベジタリアンを 非難するときの表現は、「おしつけるな」「ごーまんだ」「はきちがえている」などというものです。いやなんでしょうね、自分の食生活が批判されているような気がして。もちろん、そういった感情は わからないでも ありません。けれども、それほど共感することは できません。


 穀物(こくもつ)は、人間が たべることができます。その穀物で ウシやブタを そだてるのは、ぜーたくなことです。穀物なら、たくさんの ひとが満腹になります。肉で満腹になるためには、ぼーだいな量の飼料を 消費しないといけません。それは、宮沢賢治(みやざわ・けんじ)の時代から指摘されてきたことです。ぜひ一度は、「ビジテリアン大祭」を よんでみてください。
 「菜食主義論争」というページでは、「ビジテリアン大祭」で展開されている議論が 整理してあります。


 「肉食 - ウィキペディア」では、つぎのように説明されています。


牧畜は、大量の資源を消費する。特に、直接間接を問わず水資源の消費が膨大である。例えば、小麦を1キロつくるには2トンの水が必要で、10キロの小麦から1キロの牛肉が採取できるため、牛肉1キロを生産するには20トンもの水を使用している。

実際に大規模な畜産業が発達しているアメリカでは牛肉を大量生産するために地下水を大量に使用している。オガララ帯水層はこの牛肉生産を支えるための穀物生産により急激に水位が低下している。このように肉食は環境破壊へつながる場合がある。また他国から食肉を輸入する国は、すなわち水資源を輸入しているのと同じことになるため関連がある(仮想水)。

一方、先述の様に肉を得るにはその10倍の重量の穀物が必要であり、単純に考えて肉食は直接穀物を食べるのに比べて1/10の数の人間しか養えない事になる。特に欧米の大規模畜産による穀物の大量消費は食糧問題の観点からも問題になっている。

 さて、わたしのベジタリアンについての議論を よんで、ベジタリアンしてみたくなったひとが、何人か いらっしゃる様子です。そうした ひとたちなら とても共感を もって うなづいていただけるかと おもいますが、じっさいに ベジタリアンしようとしてみても、いろんなところで 肉を たべる機会が でてきます。いまの日本社会で生活を していれば、あっちでも こっちでも、たべるものには 肉が まざっています。とてもではないですが、いきなりベジタリアンするのは むずかしいことです。肉を たべたり たべなかったり。結果的には、ふだんの食生活と、ほとんど かわらないことになるやもしれません。そんなものです。ましてや、完全な脱肉食(ビーガン)することなど、よく べんきょうして計画的に やらないかぎり、すぐには実現できないものです。


 だから、ベジタリアンしようぜ!と わたしが よびかけていても、じっさいに その提案に のってくださったとしても、その ひとの食生活が、それほどまでに おおきく変化するとは おもっていません。そして、それで いいのだと おもっています。もちろん、日常的にベジタリアンする ひとが でてきたとすれば、とても うれしいことですが。


 ですから、おおげさに とらえないでほしいのです。こんな いいかたは、なんだか不誠実に感じられるかもしれません。けど、深刻に とらないでほしいのです。わたしや どこかのベジタリアンが なにか議論を しているときに、「栄養バランスが心配だ」とか、「肉も たべないと それはそれで健康に わるい」とか、そこまで かんがえないでほしいのです。だって、じっさいに やってみてくださいよ。適度の栄養バランスが維持されるほどには、肉を 口にすることになるはずですから。健康に わるいほどの食生活になるとすれば、「ビーガンの食生活」について まったく べんきょうも しないで、ただ「肉を ひき算」したときのことです。そんなことは、だれも提案していないのです。
 肉を たべないことで、食生活を たのしく工夫する。それこそ、おおくのベジタリアンの日常なのでは ないでしょうか。わたしは、まさにそれです。


 あまりに心配しすぎることで、相手の主張を 否定するというのは、便利な論法では ありますが、それほど誠実な態度だとは おもえません。いかがでしょうか。


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