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あべ・やすし。最近は ツイッターばー かきょーる。

「偽装結婚」から 結婚を といなおす(中村うさぎ 再入門)。

 うえの記事は2年以上まえに かいた記事ですが、つづきを かきます。


 反権力を うたっていた雑誌の『噂の真相』が休刊になって、ずいぶんになります。『噂の真相 休刊記念別冊 追悼! 噂の真相』は2004年の4月発行だそうです。5年も たったのですね。『噂の真相』は すばらしい連載が たくさん のっていたので、いつも たのしみに よんでいました。この別冊では、「休刊に寄せて」ということで、いろんな ひとからのメッセージを のせています。そのなかに、中村うさぎ(なかむら・うさぎ)さんも いました。


ずっと以前、「うわしん」さんに「中村うさぎの夫はゲイ? 偽装結婚との噂」という記事を載せられた時にも、夫がゲイだと言われたことより「偽装結婚」という言葉にカチンときて、「じゃあ、ホントの結婚って何ですか?」と反論いたしました。あの時、私の問いにご返答をいただけなかったのが、返す返すも残念です。私は、たとえ夫がゲイで、私たちの間にセックスが介在しなくても、互いを想い合う愛があれば、それは夫婦なのだと思っています。「うわしん」さんは、どうお考えですか? すべての夫婦を繋げているのは「セックス」ですか、「愛」ですか? セックスレス夫婦の婚姻は、すべて「偽装結婚」なのですか? それでは、たとえば身体的な障害によってセックスのできない男女がお互いを必要とし合って婚姻した場合、それも「偽装結婚」だとお考えですか?
(49ページ)


 なんという といかけでしょうか。これを よんだときは、たしか爆笑したと おもいます。あまりの すばらしさに感動してのことです。なんとも すがすがしい といかけです。ゆさぶられます。中村さんは「世間の偽善に押し隠された本質を暴くのが御誌の志なら、この「結婚とは何か」問題こそ真剣に討議していただきたかったなぁ、と、思っているだけです」としながら、つぎのように かいています(49-50ページ)。


俵万智(たわら・まち)さんが未婚のまま出産されましたね。「結婚」という制度の「意味」は、我々の中で、どんどん変容していく過程にあります。「結婚」を必要なしと考える人もいれば、セックスも恋愛も必要としない「結婚」に新たな意味を見出す者もいます。時代は変わっていく。我々もまた、変わっていく。…後略…
(50ページ)


 これに感動した かたは、ぜひ 中村さんの『こんな私でよかったら…』角川文庫を よんでみてください。「『噂の真相』に反論する!」というエッセイが おさめられています(197-200ページ)。


 わたしが この記事を とおして うったえたいのは、つぎのようなことです。わたしたちは、なにかを「なになにではない」と否定することがあります。そのときに、わたしたちが その「なになに」を どのように とらえているのかが、はっきりと表現されることがあります。


 たとえば、なになには「障害ではない」という否定のしかた。なんでも いいです。トランスジェンダーでも いいでしょう。「トランスジェンダーは障害ではない」と否定したとき、わたしたちは、「それでは「障害」とは、いったい なんなのか?」を といなおすチャンスに であうのです。その瞬間を、たいせつにしたいと おもっています。


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