hituziのブログじゃがー

あべ・やすし。最近は ツイッターばー かきょーる。

なみだ かれることなく(「人が支え合うとはなにか」)。

 ねるまえに西原理恵子(さいばら・りえこ)さんの『毎日かあさん 5 黒潮家族編』を よんでいた。ないて、わらって、ないていたのだけど、あまりに なけてしまって、よんでいる途中で パソコンのまえに いま すわったところ。


 金曜日は当直でした。きのうの土曜日は9時に しごとが おわり、どっぷり つかれていました。ちょっと ひるねして、最近わたしが ふかく尊敬している高口光子(たかぐち・みつこ)さんの『介護びっくり日記』を よんでいました。60ページを すぎたあたりから、もうだめでした。わんわん なきじゃくってしまった。このまえ はげしく ないたのも、高口さんたちの介護の本でした(『あれは自分ではなかったか―グループホーム虐待致死事件を考える』)。


 『介護びっくり日記』から一部を 紹介します。


 日頃、排泄(はいせつ)の世話をいい加減にして、いい加減な食事介助をして、いい加減な入浴介助をしている職員に、お年寄りは「墓参りしたい」なんて言うわけない。
 目に見える環境を整えて、技術、知識、人間観を問われて、そして「笑ってくれたよ」「食べてくれたよ」っていう介護職員たちの喜びがある。
 お年寄りはそれを見て、“ひとりじゃないんだ、生きていく方法はあるんだ”と実感するんです。そこで“生きてていいんだ”って思えたことを根拠にして「あれが食べたい」「あそこに行きたい」って言う。そして「コレをしなくちゃ、死ぬに死にきれん」っていうところまでいく。
…中略…
 生きていく方法を共に作り上げながら、“生きていてよかった”というところまで共にあるということ。それが、いかに大切なことかってことです。それをお年寄りから教えていただくということになります。 
(62-63ページ)


 高口さんは うえのように介護する ひとの意識を といかけ、つづけて、つぎのように かたっています。


 食事・排泄・入浴っていうくり返される日常があって、そこでオバアサンたちが教えるわけですよね。若い者たちに。
 人間が老いるとはなにか。
 生きるとはなにか。
 死ぬとはなにか。
 家族とはなにか。
 そして、人が支え合うとはなにかを。
 ジイサン、バアサンたちが体を張って教える。
 介護現場ってそういうところなんです。
 まったくの赤の他人が最後の別れのときに涙まで流す。
 介護職員とお年寄りっていうのはまったくの偶然の巡り合わせでありながら、死に立ち会ったときには職員たちは泣き崩れるわけです。
 それは互いの間に関係が育(はぐく)まれたということだと思います。
(63-64ページ)


 引用していて、なみだが とまりません。わたしは このブログを かいていて、ときに おもうことがあります。ああ、わたしのような ひとが もうひとり いて、わたしと にたような、けど ちょっと ちがったブログを かいてくれていたら、ずいぶん すくわれるだろうな。たのしいだろうな。うれしいだろうなと。


 わたしは、高口さんに ついていきたいと おもいます。ずっと愛読者でいたいと おもいます。


 三好春樹(みよし・はるき)さんとの共著の『リハビリテーションという幻想』で、高口さんは つぎのように かたっています。


…敵ができると味方ができるということを覚えました。敵がいない人ほど味方もいないことがわかりました。
(66ページ)


 わたしが身を おいているのは老人介護ではなく、成人の知的障害者の生活支援です。わたしの職場は、高齢化と重度化が すすみつつあります。わかれに ぼろなきしたことも あります。わかれの かなしさを、同僚と ともに わかちあったこともあります。

 金曜日の夜、わたしは しごとを していて、おもいがけないことがありました。それは びっくりして よいことでした。おおよろこびして よいことでした。そして、それは これまでの自分を 反省すべきことでもありました。
 それを すっかり わすれていて、そして、高口さんの本を よんで なきじゃくりながら、おもいだし、また こえを あげて ないていました。そんな一日。


 みなさま、おつかれさまです。そして、おやすみなさい。いまから ぐっすり ねたいと おもいます。



てを さしだして。


そのときが くるのを まっている。


じゅんびが できるのを まっている。


ただ つったって まつんじゃなくて。


てを さしだしてみる。



まだかな。もうすぐかな。


まるで がまんくらべを しているみたい。


もちろん、そんなつもりは ないのでしょ。


ふふ。のんびりした きもち。


まっている。なにも いわずに。



お。


はい。


じゃあ。


いこうか。



てを つないで。



「ねえ。どこに いこうか?」


リンク:こんにちは。高口光子です!(ブログ)