hituziのブログじゃがー

あべ・やすし。最近は ツイッターばー かきょーる。

新型コロナウイルスと ことばのバリアフリー(医护人员如何追求语言无障碍)。

 2015年に、『ことばのバリアフリー 情報保障とコミュニケーションの障害学』という本を かきました。

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 その内容と相通じる活動が、新型コロナウイルスの治療に とりくむ中国の医療現場でも みられるようです。リンク集として、まとめておきます。


 まず、ツイッターで みかけたもの。

→「快讯︱“战疫语言服务团”助力湖北抗击疫情 - 商务印书馆


 つぎにウェブの記事。


 つぎに冊子とウェブサイト。


 ここで確認できるのは、ふたつの種類の ことばのバリアフリーです。
 ひとつは、地域語。武漢(ウーハン)など、湖北(フーベイ)省に 外部から医療人(医師、看護師)が やってきます。現地の地域語(いわゆる方言)が ききとれない場合があるわけです。それは日本の歴史のなかでもあったことです(『ことばのバリアフリー』148、165-166ページ、2019年度後期の担当授業「多言語社会研究」の第5回「災害がうつしだす言語問題」の配布プリント参照)。とくに高齢者の場合、それほど北京官話(普通话)を はなしなれていないことがある。ましてや、呼吸が くるしい状態にある患者さんたちの ことばを ききとることは、それほど かんたんではないでしょう。さらに医療人は、かなり ぶあつい防護服を きています。
 そこで、湖北省 各地の ことばを 紹介するウェブサイトとか冊子が つくられたんですね。また、現地の医療人がコミュニケーションボードを つくったという例が 紹介されています。
 もうひとつは、手話。ろう者の患者さんとのコミュニケーションを するために、ジェスチャーを かんがえたり、手話を 学習したりしている様子が 報じられています。

 わたしが おもうのは、通訳も必要だろうということです。もちろん、通訳者が現場に はいることはできません。感染のリスクがあります。なので、現地の医療人が通訳するとか、手話のできる医療人が通訳するという方法もあるでしょう。そして遠隔通訳を することも、可能だろうと おもっています。遠隔通訳の利点は、感染症の予防になることです。

 ともかく、このような実践や報道は、今後も でてくると おもいます。今後もチェックして、このページに追加していきます。