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あべ・やすし。最近は ツイッターばー かきょーる。

屠場(とじょう)労働者は、はたして笑顔で いられるのか。社会全体の問題だ。


 うえの記事は、たくさんの好意的な反応を いただきました。それは、はてなブックマーク - いつも屠場(とじょう)労働者の みなさんが 笑顔で いられますように。を みても、おわかりいただけるかと おもいます。
 うえの記事のように、ストレートに表現すれば、屠場で しごとを している ひとを 差別するということが、いかに「天に つばを はく」行為(自分自身に はねかえってくること)であるか、わかっていただけるということでしょう。うえの文章に かいたとおり、「この社会で 肉を たべている たくさんの ひとたちがいる。そこにニーズがあり、屠場という空間が あ」るのですから。


 さて。屠場労働者の笑顔のために、必要なことは なにか。リストに あげてみましょう。

  • 屠場がタブーでなくなること。差別がなくなること。
  • 動物を ころすことがタブーでなくなること。
  • だれもが屠場に就職したいと感じられるようになること。いやだと感じないこと。
  • 就職難で、いやいやながら屠場に就職することが なくなること。


 まず、「屠場がタブーでなくなること。差別がなくなること。」 そのために、『ドキュメント屠場』『屠場文化』『屠場―みる・きく・たべる・かく』『いのちの食べかた』といった本があります。こういった本を、たくさんの ひとが よむ必要があります。


 そして、「動物を ころすことがタブーでなくなること。」 そのために、『「いのち」を食べる私たち ニワトリを殺して食べる授業―「死」からの隔離を解く』という本があります。じっさいに ころしてみることで、タブーを なくそうとしているのです。いきるということ、たべるということを みつめなおしているのです。『ブタをまるごと一頭食べる』という本も、そのためにあります。


 それでは、「だれもが屠場に就職したいと感じられるようになること。いやだと感じないこと。」は、どうでしょう。わたしは そのうち、屠場で しごとが したいと おもっています。ですが、屠場のことを かんがえてみようともしない ひとたちは、けっして屠場で しごとが したいとは おもわないでしょう。この記事は、「だれもが屠場に就職したいと感じられるようになること。いやだと感じないこと。」のために かいています。


 屠場がタブーではなくなり、動物を ころすことがタブーでなくなれば、屠場に就職してもいいという ひとが、格段に ふえるはずです。そうなれば、「就職難で、いやいやながら屠場に就職すること」は なくなります。それだけでなく、屠場労働者の みなさんが、いつも笑顔で いられるはずです。



 さて、いまの現実のなかで「就職難で、いやいやながら屠場に就職する」ひとは、はたしてゼロなのでしょうか。だれもが ほこりを もって、屠場で しごとを しているのでしょうか。
 わたしは、屠場で しごとを している みなさんは、ほこりを もっていてほしいです。「しごとのあとの ビールが、最高に おいしい。そんなはなしを ききたいです」。


 でももし、それが わたしのナイーブな希望なのだとしたら、ものすごく かなしいです。はたして、屠場労働者は、いつも笑顔で いられるのでしょうか。これは、社会全体の問題です。



 それは、あたらしい神話であるかもしれません。希望にむけた、おおきなプロジェクトであるかもしれません。差別のない肉食という神話。差別を うみださない肉食社会。はたして、それは可能なのか。


 わたしは、可能であってほしいです。なぜなら、肉食を 土台で ささえている ひとたちが差別されるということは、あってはならないことだと かんがえるからです。



 屠場労働者に感謝を。屠場労働者が、ありふれた、どこにでもいる労働者として、あたりまえの尊重を うけることを。屠場労働者の笑顔のために。わたしの、あなたの笑顔のために。


紹介した本:

  • 鎌田慧(かまた・たけし)『ドキュメント屠場』岩波新書
  • 桜井厚(さくらい・あつし)/岸衛(きし・まもる)編『屠場文化―語られなかった世界』創土社
  • 三浦耕吉郎(みうら・こうきちろう)編著『屠場―みる・きく・たべる・かく』晃洋書房
  • 森達也(もり・たつや)『いのちの食べかたよりみちパン!セ
  • 村井淳志(むらい・あつし)『「いのち」を食べる私たち ニワトリを殺して食べる授業―「死」 からの隔離を解く』教育史料出版会
  • 鳥山敏子(とりやま・としこ)『ブタをまるごと一頭食べる』フレーベル館


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