出版社は理論社って とこで、「ヤングアダルト新書」、「中学生以上すべての人のよりみちパンセ」なるシリーズの1冊。かなり興味ぶかいのが ぞくぞくと でますので要チェックです。
さて、森さんは今回「こどもむけ」のアプローチで文章をかいてる。出版社の要求なのか、森さんの選択なのか、「ねぇ、そこの『お友だち』」感覚。でも、だんだん森さんの、あの文体に もどってきて ひきこまれてしまう。へんな気づかいしないで いんだよ。ちょっと まちがえば「こども あつかい」文体になるからね。うがった こどもなら「けっ」とか おもうかもよ。
それにしてもです。ふりがなが たくさん ふってあって、文字数も すくない。これなら中学生も気楽に よめるだろう。でもね、この本の内容を「あたりまえの常識」だなんて いえる おとなが どれだけ いるんだろう。こどもでも よめる本だからって、おとなに必要ないわけじゃない。これは すごい本です。森さん、どうも ありがとう。
ちょっと引用しよう。
蔑まれるから蔑む対象を人は探す。哀しい話だ。こうして差別は差別に連鎖する。いじめられっ子は、自分に代わっていじめられる対象を必死に探す。森さんは食肉産業の話から、部落差別、戦争、メディア、そして「人間」の すがたをえがきだす。それは すなわち、わたしや あなたの すがた そのものなのだ。
僕たちの最も弱くて、最も醜くて、そして最も切ない部分だ。(88-89ページ)
少なくとも、これだけは言える。何が大切で何がどうでもよいかの判断は、知ってから初めてできる。知らなければその判断もできない。(18ページ)人は、鏡をみて自分の すがたをしったような気分でいる。でも そうじゃない。自分が なにもので、自分が どこに いるのかは、鏡をみたって わかりゃしない。もっと つながっていこう。そして、ことばにしよう。自分の すがたをみすえるためにも。
グーグル:「だまされることの責任」 / 「いのち」